部屋の窓際

好きなものについて描いたり書いたり。

ラクガキ&雑談「時今也桔梗旗揚」&読書メモ

若武者的スケッチ

 

 

 Eテレにっぽんの芸能でやっていた「時今也桔梗旗揚(ときはいま ききょうの はたあげ)」を録画鑑賞。

 

二幕、馬盥の引っ込みが印象的です。

観てるこちらも肚にぐっと力を入れるような。

全体的に、信長もとい春永が酷すぎるの一語に尽きるのですが、だからこそ光秀がブチギレた時に喝采するってことなのかなあ…。というか、理不尽さへの反抗としてスカッとするのではなくて、どうせ理不尽な世の中ならこの手で掻き乱してやるっていうドス黒い情念の解放。暗黒面に落ちちゃった感じ。

執拗ないじめに耐えて耐えてドロッと怨念が溢れる、というこの作品の作者が、あの四世南北だと知った衝撃。え?性癖?(失言)

あと、蘭丸たちを見て「リアル衆道って感じ」という根拠のない感想を持ちました。

 

ちなみに、この放送は「高橋英樹がいざなう信長の世界」ってタイトルだったのですが、どう考えても歌舞伎部分に関しては信長ネガティブキャンペーンだと思います。

 

 

 

 

「軽い手荷物の旅 トーベ・ヤンソン・コレクション1 冨原眞弓訳 」筑摩書房

「誠実な詐欺師 トーベ・ヤンソン・コレクション2 冨原眞弓訳 」筑摩書房

 

上記二冊とも図書館本。

子供の頃ムーミンで大変お世話になったトーベ・ヤンソン。コレクションが全部揃っていることに気づいたので借りてみた。

 

語弊があるかもしれないが、サクサク読めて面白かった。

サクサクというより、シャリシャリか。凝り固まっていたものが流されていくような、スッキリしていく読後感。爽やかとかいう意味でなくて。…解毒?これも誤解されるか。ポカポカ温まるのでなく、ひやりと染み入ってくるぬくもり。矛盾。

 

甘ったるい話は無い、と思う。どちらかというとちょっとした塩味ですらある。とにかく、私にはあちらこちらに美しいモノが転がっているように思え、あれもこれもと拾い集めました(文章を書き写した)。

 

コレクション1で特に好きなのは「八十歳の誕生日」「思い出を借りる女」「エデンの園」「植物園」。「誠実な詐欺師」は、知恵の実の不幸って印象も。