「わたしの名は赤(新訳版) オルハン・パムク/宮下遼訳」ハヤカワepi文庫
の上下二冊を一週間と半分かけて読了。
細密画師の殺害をきっかけに複数の視点から展開される歴史ミステリー、と言っていいと思うのですが、何よりも興味深かったのは『絵』に対する様々な解釈の展開でした。東西や宗教の違いってことだけでは収まり切らないものが溢れとりました。
伝統が失われ薄っぺらい物真似になるっていう葛藤も描かれているけれど、『視点』という解釈方法や、東西関係なく『描くこと』への業みたいなものが散りばめられていて(またこれが何気なく、かつ寓話的だったりしてあちこちにある)興味深かったです。
資料を用意してもう一回再読したい。もうちょっと後で。