好きじゃないけど、ついつい見てしまう時代劇作品です。
芝翫さん、雰囲気&恰幅ともに貫禄マシマシですね。
「間違ってもスカッとすることのない時代劇」のトップ10に入るのではないかと思われますが、国営さんはこの一年ぐったり疲弊している我々に少しだけでも爽やかな微風を届けようとした模様。逆に武士道の虚しさを強調した気もしたけど。
ちなみに、私は最初に見たのがちびっ子の頃のテレビ版(調べたらフジテレビ)次がリメイク映画版、そしてオリジナル映画版なのですが。子供だったのでフジ版はほぼ記憶に残らず、リメイク版はあまりの残虐趣味描写に逆に乾いた笑いすら感じ、オリジナル版からは胸の一部が重くなるような後味を得ております。製作者の思う壺な観客です。
キーワードのバカ殿は、今回は文字通り素直にバカ殿でした。
映画オリジナルとリメイクのバカ殿は揃って常軌を逸した目をしていて、そもそも善悪の区別が意識から欠落している不気味な人外(稲垣版はもはや完全にサイコパス)に見えましたが、今回は善悪の区別はついているけど自分は特別なんだ!という暴れん坊に見えました。
毎回毎回、このバカ殿を切り捨てて病死届けだせばいいじゃん、鬼頭ならそのぐらいの手腕あるじゃん、と思うのですがそれは現代人の感覚か。
そして、NHK制作の時代劇観ていると、大掛かりな立ち回りシーンを目にする度に頭の片隅で「スローな武士」の所長さんが経費に頭を抱え込んでいる図が浮かびます。