嗚呼、月影花之丞が観てぇなあ!(大の字で寝っ転がる)
「桃 久世光彦」中公文庫
毎度毎度、この人の文章が創り出す世界に惚れ惚れし、この人が繰り出す女性観にやや辟易する。kindle以外に再版出来ないのはそのせいか?と穿ったり。辟易はすれど、この毒と旨味を知らないで済ませるのは勿体ないことだと個人的には思う。
大雑把にまとめると、昭和初期の世界に散らばる桃に絡まる男女の短編群(男女に絡みつく桃かも)。
ある種の童話かと思うが、それにしても退廃的で濃密な世界。
特に最後の『桃 - お葉の匂い』が、文字なのに鼻腔から胸にくる。