部屋の窓際

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ラクガキ&読書メモ「怪奇文学大山脈3」

ラクガキ/お母さんといっしょ

 

 

もう古典的過ぎるネタだけど、「おかあさんといっしょ」。

 

私のぼんやりした記憶では、いろいろ事情があってイワナを一人で食べちゃったために竜になっちゃったお母さんを訪ねて岩かなんかを砕いて最終的にめでたしめでたしだったような…記憶。

滝登りしてドラゴンサクセス(何語)を目指している鯉の一族にとっては、「罰として竜に変化とは此れ如何に?」と解せぬだろうなと思います。

 

 

 「怪奇文学大山脈3 荒俣宏編纂」東京創元社

ようやく最終巻読了。このシリーズの何が濃いって、荒俣さんの解説だと思う。

ただ漠然と「幻想文学好き〜、怪奇文学面白〜い」なだけの私には勿体ないぐらいの熱血講義。モノクロながら図版も多いのが親切設計。

読んだ端から忘れていくような人間ですが、全三巻で繰り返される雑誌名はさすがにしばらく記憶に残ることでしょう。ただ、アメリカのパルプ雑誌群があまりに似た名前が多過ぎて脳内でごった煮状態ですが。

収録作品は雑誌の流れを掴むために玉石混淆ある、と但し書きしてありましたが私はどれも楽しめました。「文学」となると厳しいものもあるかもしれませんが「怪奇」を求めて読んだので。コテコテ大歓迎。

 

『闇の力』『蝋人形館』と、蝋人形館を舞台にしたものが二つ。推理小説でも選ばれるこの空間は、やはり不気味な場所という共通認識があるのでしょうか。不気味な場所、に人間から発されるグロテスクな想像を盛り付けるという感じ。

『アシュトルトの樹林』『舞踏会の夜』『唇』『七子』が好み。グラン・ギニョル劇戯曲の『幻覚実験室』はB級ホラー映画マッドサイエンティストものの元祖では。同じく戯曲『最後の拷問』は、似たようなオチの短編をどこかで読んだけど思い出せなくてそこが気になる。

コテコテ歓迎だけど、ちょっと勘弁と思ったのは『責め苦の申し子』。

 

全体的に、人間そのものの恐ろしさが多かったようです。人智を超えた存在が関わると、むしろ救済すら感じます。