「ジャンキー JUNNKIE ウィリアム・バロウズ/鮎川信夫訳」思潮社
図書館本。再読。
1980年新訳版。シルバーに村上芳正の画。
枯れた(ように見える)花弁や茎、そして男性であろう肉体。
私は麻薬の方程式を学んだ。麻薬は酒やマリハナのような人生の楽しみを増すための手段ではない。麻薬は快楽の刺激剤ではない。麻薬は生き方なのだ。
(はしがきより)
麻薬とマリハナ、の違いすら私には分からないんですが、内容としてはエンタメ要素もあるドキュメンタリー(?)全15章からなる麻薬体験記。
難解さはなく、ひたすら読みやすい…と錯覚させられるグルーヴ感。
ユーモアを交えて淡々と流れていく記述。
ドライなようでいて、なかなかにウェット。
なぜ苦しむと分かっているのに続けるのか?と凡人である私は突っ込むしかない。
この生き方が理解出来る、とは言わない。
ビート・ジェネレーションに対する辛辣な解釈の一つに〈先の決まった人生が嫌で飛び出した坊ちゃん〉というのを見かけたことがあるが、そんな単純なもので無いことだけは理解できている、と思う。