部屋の窓際

好きなものについて描いたり書いたり。

9月13日 読書メモ「落日の門」

 

火曜日。

朝小雨。社内に閉じこもってる間に晴れる。

空気がもったりとしている。昨日と違って爽やか度が低い。

 

朝食、昼食はいつもの感じ。

夕食、白米と納豆。豆腐となめことワカメの味噌汁。キャベツと豚肉味噌炒め。

 

 

 

 

「落日の門 連城三紀彦傑作集2 松浦正人編」創元推理文庫

 

分厚い短編集。ようやっと読了。

時代背景なのか、やたら男女間、特に離婚に絡めた作品が目につく。

それぞれに再生する家族、崩壊しそうな家族、とっくに崩壊している家族、etc.

一気に読もうとすると、正直ちょっと辟易気味になるが、文章に惹きつけられる。

縺れに縺れた糸や、歪みに歪んだ鏡の転がる世界。

 

『ゴースト・トレイン』『化鳥』『輪島心中』が好み。

特に好みなのは表題作『落日の門』の五篇。

二・二六事件を主軸に展開される物語。

それぞれ視点が変わっていくのだが、その度ごとに真相(らしきもの)が二転三転していく。ちょっと急展開すぎる部分も感じるが、とにかくどっぷり読み耽る。

歴史が大波なら、各挿話は水底にあるシーグラスか。幻想というか耽美というか。

『落日の門』は、凍てついた恩寵。

『残菊』は、菊の苦い香りのような残酷さ。

『夕かげろう』は、淡いかげろうの孕む修羅。

『家路』は、異様というか異形。

『火の密通』は、物語の種明かし、でもあり、母恋。