部屋の窓際

好きなものについて描いたり書いたり。

2月12日 映像メモ「ハウス・オブ・グッチ」

 

日曜日。薄く曇ってはいるが晴れ。
金曜日に比べれば暖かく、土曜日に比べればちょっと寒い。

朝。小倉トースト。餡子大好き。ヨーグルトに黒豆。意外とイケる。お紅茶。
昼と夜はまだ何も考えてない。



ここ最近、土曜日の録画必須番組が「探偵ロマンス」「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」
「探偵ロマンス」の方は昨夜で最終回。これから一気見予定。
チラリと見たら、草刈正雄さんがイケおじ以外の何者でもなく、菊之助丈がヌメっとしてて大変素敵だった。
「世界サブカルチャー史」はアメリカ編から好きだったので楽しみ。
こちらも一気見したいのでまだ観てない。見てはいないが、テレビ欄に『惑星ソラリス』の名があったのを、何を空目したのか『未来惑星ザルドス』と認識しショーン・コネリーさんのあの映像に玉木宏さんの沈着なナレーションが重なるのかと思って一瞬ドキドキが振り切れた。


昨夜観たのは「ハウス・オブ・グッチ」




 

「ハウス・オブ・グッチ」リドリー・スコット監督

面白かった。
ノンフィクション『ザ・ハウス・オブ・グッチ』サラ・ゲイ・フォーデンが原作。
日本語版もあるらしいがこちらは未読。映画が面白かっただけに読もうかとも思ったが、たぶん、私が求めているものは原作にはあまり無い。

名前だけはよーく知ってるファッションブランド、の創業一族の終焉。
一応、パトリツィア@ガガが主軸か。
シンデレラストーリー、屈辱と復讐、栄華と不吉な兆し、転落と暴走。
世界が違いすぎるので、実話を脚色した映画、というよりも現代に置き換えた神話を眺めている感じ。ギリシャ神話のような人間臭い神々。
子供の頃の神話好きをそのまま引き摺って、自分には無い力を持った存在が隆盛を極め破滅していくのを読んでいる感覚。


アル・パチーノが居るからじゃないけど、ある種のゴッド・ファーザー。
もっと大仰に言えば、神々の黄昏。詩情はかなり希薄だが。
ファンには怒られるかもしれないが、ヴィスコンティの系譜にも思える。ゴシップに満ちた付属物をだいぶ引き摺っているけれど。
あらゆるものが煌びやかな、いろんなモノでドロドロとしている世界で、栄華を誇る一族が崩壊していく様を眺めていた。目の保養。劇中に流れる音楽がちょっと印象薄い。

目の保養といえば。絶望的な資本契約を結ぶ際のアル・パチーノのスーツの袖がハッとするほど美しかった。センス皆無な私でも目が醒める思い。


要約すればよくある物語だけど、そこが面白い。
そもそも要約するなら物語は要らない。
愛憎が詰まっている。剥き出しの欲望。
自己犠牲や美徳は清々しいまでに皆無。


ガガが期待を裏切らないアイコンぶり。
それこそ、王女メディア。イアソンが少し微妙か。


いっそ、華々しくGUCCIが衣装製作して、グランドオペラにでもしたら面白いかも。
感電するほどの喜びを歌うのがミュージカル、爆発するほどの欲望を歌うのがオペラだと思っています。