大鎧や派手な甲冑にロマンを感じちゃうのと、オートクチュールにロマンを感じちゃうのは似ていると思うんですよね(昼から寝言)。
収録されているエッセイ&論考のなかで一番歯が立たないであろうと思っていた日夏耿之介の「『高野聖』の比較文学的考察」が意外と読みやすかった印象。多分、その前にある前田愛の「獄舎のユートピア」で慣れない単語に苦戦していたからだと思われます。
それにしても、あの日夏耿之介が、あの泉鏡花を考察するなかで、あのオウブレ・ドウルヴィリィ(バルベエ・ドルヴィリ)が出てくるとは思いませんでした。ライトな幻想文学読者ですが軽く興奮してしまった。
日夏耿之介言うところの「罪障冥加」 をもう一度読みたくなって、本棚を引っ掻き回して取り出した文庫本がこちら、「怪奇小説傑作集4フランス編 訳青柳瑞穂・澁澤龍彦」創元推理文庫。「罪障冥加」という祈祷のごとき名称から「罪のなかの幸福」というちょっとリリカルですらある名称になっています。怪奇、という要素を求めると拍子抜けするかもしれませんが、二人の女性(にょしょう、と言いたい)には心惹かれるものがあります。
年末に観た東映チャンネルの「赤穂城断絶@深作欣二監督」は、全体的なストーリーは驚くほどとても普通の忠臣蔵でした。千葉真一さんや渡瀬恒彦さんがなかなかクレイジー侍なんですが(言い方)、近藤正臣さん&原田美枝子さんの橋下平左衛門夫婦がどう見ても伊右衛門とお岩だろうという青白い強烈残像。
萬屋錦之介さんは、なんかこう…お不動様みたいな目をする時があると思います。
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初冬から地味に読み進めていたのですが、年末に6巻で挫折中。
さほど苦にならずに読んでいたのですが、ちょっと足踏み。足踏みというか停止。『スワンの恋』の鬱陶しさ(…)にも負けなかったのに、ページを読めなくなりました。
あまりにも生活様式が異なるため、もはや一種のファンタジー大河ノベルズだと思っていた世界から突然、生(ナマ)な問い掛けがぶん投げられてきたという状態です。
私には、この祖母の死がどうしても読み進められない。
プルーストの持つ繊細さと怖さの一端に、鈍いながらもようやく気がついたのかもしれません。
全巻は購入しているので、またいずれ読むのを再開しようと思います。
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という気分を刷新しようと、購入未開封だった劇団☆新感線や宝塚歌劇の円盤を観まくり、録画しておいたNHKの岸辺露伴や東映チャンネル各種番組(実は動くストロンガーを始めて見ました)を観まくり、新春NHKの歌舞伎ナウシカや宝塚歌劇を観た上で録画しておいた各種(以下略)を観まくったので、明日以降は眼精疲労気味の仕事始めになりそうです。
ちょっともう軽い頭痛すらしてる。
と、ちんたら書いていたら福本清三さん死去の報。
子供の時は、分かりやすい悪役のおじさんがいるなあと思っていました。…嗚呼。
週末は「太秦ライムライト」を観よう。