部屋の窓際

好きなものについて描いたり書いたり。

6月3日 朝のメモ


土曜日。朝も雨。田圃が池。
鳥の声は数種類あちらこちらに響いているが、姿までは見えない。
声といえば、夕方になればこの時期の風物詩であるカエルの和声が盛んなのだが、昨夜はさすがに暴風雨のためか沈黙。

季節を感じるあの声を騒音ととらえて騒ぐ人間もいるという驚き。
除夜の鐘に文句垂れる輩もいる世の中だから、驚くにも当たらないか。
蝉もカエルも、状況によってはどんな音でも煩く感じるのは理解できるが、ご自身が騒ぎ立てることもある種の騒音であるかもしれない、とはきっと思い至らないのだろうな。


という、めんどくさい考えを雨季には抱きがち。
天候でメンタルや体調は左右されがち、ということを歳をとってから実感。





朝。トースト。半熟卵乗せ。トマトジュース。蜂蜜入りヨーグルト。
昼以降は未定。





「グラン・ヴァカンス」に続いて「ラギッド・ガール」を読み始めたが、ヒリヒリする美しさで成り立つ世界観満載なので休み休み読む。二編目の『ラギッド・ガール』まで読み、「グラン・ヴァカンス」の解説にあったフレーズを理解。

目安め(?)に「絵金 闇を照らす稀才」東京美術を見る。
前から絵金の画集が欲しかったのでお手頃価格で、見所満載。
こちらも、美と醜の境界線をなぞるような絵だが、泥臭いとも云えそうな線に温かみすら感じる。生臭みとも言えるかもしれないが。
ほのぼの絵もあるし、何より白描が見られるのが嬉しい。



空が明るくなってきた。

5月27日 気怠く幻想の女王を読んで過ごす


土曜日。まずまずの晴れ。
ちょっと前まで雉が鳴いていたと思えば、燕が暴走気味に飛び回る。
燕と雀とお尻フリフリは申し合わせがあるのか、時間があまり被らない。

ざっくり掃除洗濯し、ざっくり除湿剤設置。
キューピーコー●ゴールドに頼りがちなので、体力温存のためだらだら過ごす。 





朝。ハムチーズ挟んだフランスパン。コーヒー。ヨーグルトに蜂蜜。
昼。コンビニの冷製パスタ。バジル味。作り置きしていたトマトと胡瓜のマリネ。ビール。
夜。白米。マグロとアボカド山葵醤油和え。蒸しナスと茗荷。インゲンの胡麻和え。





記事タイトルを訳す(?)と、ごろごろしながらタニス・リー作品を拾い読み。
『ごろごろ』を『気怠く』と書くだけで、少し優雅な気分になるチョロい人間である。
私にとって、タニス・リー皆川博子は東西の幻想の女王陛下である。
作家に「さん」をつけると馴れ馴れしいような気になるので敬称略で表記させていただく。


タニス・リーといえば、「闇の公子」で覚えた目眩。
無邪気なファンタジーしか知らなかった学生に、麗しい幻想というものは甘苦いものでもあることを教えてくれた一人(訳者の浅羽莢子の存在も欠かせない)。
調べると、悲しくなるくらいに翻訳作品は限られ、且つ絶版ばかりだが、一部でも手に取れたことを素直に喜ぼうとは思っている。復刊どうですか、とも思うが。
じゃあ、原文で読めよというツッコミも欠かせない。

『平たい地球』の系譜(あの作品系列にシリーズという単語は少し抵抗が)と、『パラディスの秘録』シリーズが印象的。
登場人物たちの辿る運命は、甘いや苦いなどというレベルではなく苛烈なのだが、語り手はそれらを淡々と麗しい物語へと紡いでしまう。
血生臭い、とか、残酷という言葉よりも『甘苦い』が、個人的にはしっくりくる。


全てが大好きー、と言えるほどの作品数を読んですらいないのだが、この現代のシェヘラザードとも呼ばれた人がどんなエッセイ書いたんだろう?という興味は尽きない。


 

 

上記二冊は復刊版。
この復刊があった時に「惑乱」と「熱夢」「妖魔」も出るかとワクワクしていたらフェイドアウトしていってしまい、哀しかったのを覚えています。悲しいというより、哀しい。

 

 

 

 

 

「幻獣の書」しか読んでなかったので、創元推理文庫で復活した時に逃してはならぬ!と奮発して一気買いしたパラディス秘録シリーズ。
読後感がなかなかヘビー。しばらくこの世界から遠ざかりたい。しかしまた戻る。癖になる。

創元推理文庫で『平たい地球』系譜復活とかどうですかね。