休みの初日をミス・マープルに捧げ尽くしてしまい、時間泥棒に遭った気分。
コーヒー党なのに紅茶とケーキが無性に食べたい。
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「シャーロック・ホームズの功績」ハヤカワ・ポケット・ミステリ・ブック
アドリアン・コナン・ドイル、ジョン・ディクスン・カー/大久保康雄訳
シャーロック・ホームズは一応聖典は全部読んではいるけど、記憶は曖昧。
原作、パロディ、パスティーシュ諸々は映像の方が馴染みがある。
パスティーシュ物を活字で読んだのは初めてかもしれない。
いわゆる「聖典」にチラリと名前だけ上がっている発表されなかった事件の詳細な記録、というパスティーシュ。12の短篇集。
ドイルの次男が書いた、というだけでも興味津々。
時間つぶしに読むつもりが夢中で読了。
ミステリの大家ディクスン・カーの共著による前半と、エイドリアン単独の後半どちらも面白い。私のように、ぼけっと読んでいる人間は、これらの作品が聖典に混じっていたら判別出来ない自信があります。
雰囲気というか、空気が全く損なわれていなくてちょっと感動。どこかで読んだような…というのも、欠点ではなくむしろニヤニヤできるポイント。
怪奇色があるのも大変に好みです。
読んでいる間、脳内映像はグラナダ版が違和感なく映写され続けてました。
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「酔いどれ列車、モスクワ発ペトゥシキ行 文学の冒険シリーズ」国書刊行会
ヴェネディクト・エロフェーエフ/安岡治子訳
読んでいるだけで二日酔いになりそう。酩酊感、じゃなくて目眩感。
どんだけ呑むんだヴェーニチカ。
とっ散らかってアルコール(と付随する諸々)を撒き散らかしながら、この世の何かをなんとか掬い上げて掴み取って、自分の中にしまい込もうとしている印象。
夢オチになるかと思いきや、悲劇。まさかの殉教劇?受難劇?
ロシア文学の知識があればもっと深く楽しめるのだろうが、残念ながら無い。
文学を味わうには、それ相応の体力と鍛錬があったほうが良いのだと思い知らされるタイプの一冊。
しかし、知らなくてもこの悪酔い感とゾクッとする冷えは感じ取れた、と思う。
正直、中盤あたりからこれはいわゆるジャンキー小説だな?と思い込んで読んでいたので、終盤は本当に冷水を浴びせられた気分だった。
理解は出来ていない。ただ、ゾクっとした。
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これから撮り溜めしてあった番組を観て、購入しておいた円盤も開封して、積読だった本も取り崩して、ラクガキも思う存分して、掃除もちょっとして…休みが一ヶ月くらい必要なくらい忙しくなりそうです。