部屋の窓際

好きなものについて描いたり書いたり。

2月9日


金曜日。雲はあるが、まあまあの晴れ。空気は冷たい。
所用があったので半休。晴れの日の早退は、幾つになってもウキウキする。
ウキウキ早退だが、朝の通勤時には気付かなかったヤツらの気配を鼻腔が囁く。
マスクしててもヒリヒリとした痛痒さ。
緑豊かな田舎なので花粉の活動も早いのか。


朝。バナナ。グラノーラ。ヨーグルト。蜂蜜切らしたので苺ジャム。
昼。海鮮焼きそば。餃子。ジャスミンティー。
夜。白米。白菜、長ネギ、エノキ、豆腐、鱈の塩系鍋。焼き鳥、レバーと腿。納豆。ビール。

食後に蜜柑。





小澤征爾、死去の報。
クラシック音楽の知識は無くとも、耳に(目にも)馴染んでいる指揮者。
思わずいろいろと引っ張り出す。

CDという記録媒体を通してしか馴染んでいないので、真価の一端にしか触れていないと思う。私がCDを買う年頃には既にマエストロだったので、知識が無い若造は膨大すぎるクラシックの海中を恐る恐る検索して購入していた。
いわゆる「ローマ三部作」とオペラ「ホフマン物語」が特に好き。
「ホフマン」はグロベローヴァが出ているからというのもあるが。


 



村上春樹との対談集は、永遠のクラシック初心者にもたいへん面白かった。
指揮者の話や、春の祭典裏話なども面白かったが、音楽は天から授かる感性だとぼんやり思っていた人間には、あらゆる要素(文化的要素?)を数式というか建築のように組み立てている(ように見える)姿が新鮮だった。
メインのインタビューは勿論だが、心に鋭く残ったのがあとがきの後にある『厚木からの長い道のり』。

 


そして大西さんが最後に感無量のおももちで「残念ながら、今夜をもって引退します」と聴衆の前でしみじみ話しているときに、突然すくっと立ち上がって「おれは反対だ!」と叫ぶという異例の事態、というかハプニングになったわけです。


この後のサイトウ・キネンへ至る過程や、さらにその後のちょっと苦い現実(あの大西順子がアルバイトを首!)(そもそもあの大西順子が仕事探しなんて!)もひっくるめて、この

「おれは反対だ!」

という小澤征爾の声に、とてつもなく純粋なものを感じるのは感傷的にすぎるだろうか。