そろそろ録り溜めしてある鬼平犯科帳を円盤に移さねば。
子供心にこのおじさんちょーカッコイイ!!と痺れたのが、二代目中村吉右衛門丈の四代目長谷川平蔵。
お頭の、あの右目が「すっ」となるところが好きです。
あと着流しで扇子(渋扇)を翻す姿。
五代目平蔵が十代目松本幸四郎丈(なんだか凄い世界観)と発表されたときは全く驚きませんでしたが、だいぶ色合いが変わるんだろうなと推測。それもまた良し。勝手に色気がマシマシな平蔵を予想中。大滝の五郎蔵は誰がやるんだろう。
藤枝梅安にトヨエツを起用した人は天才だなと思いました。
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近頃読み終わった本のメモ。
「人魚ノ肉 木下昌輝」文春文庫
「バルタザールの遍歴 佐藤亜紀」角川文庫
ちびちび読んでいた「怪奇文学大山脈2」をようやく読了。
最もオーソドックスに楽しめたのは、THE怪談な『近頃蒐めたゴースト・ストーリー』。ほか、特に好みなのは『甲板の男』や『白の乙女』『紙片』『ブレナー提督の息子』。全体的に、不確かな恐怖に包み込まれて取り残される傾向。
八百比丘尼伝説に幕末京都に絡めた短編集「人魚ノ肉」 は、『肉ノ祭』『血ノ祭』『不死ノ屍』が特に好み。
沖田総司を据えた『肉ノ祭』、老舗当主の視点で展開される『血ノ祭』は、血腥いものの読後は穏やかな空気感。『不死ノ屍』は、勝手に脳内で山口貴由さんの世界が展開。
「東欧怪談集」は、とにかく字が小さい(…)。
もはや完訳が読めなさそうな『サラゴサ手稿』の53日目が先頭。まだ翻訳単行本が出ていなかった頃のグラビンスキの『シャモタ氏の恋人』も収録。同じ『吸血鬼』を題材にしてもチェコとマケドニアだとだいぶ趣が異なる。特に好みは『不吉なマドンナ』と『出会い』。耽美と惨たらしさ。一番読後にダメージ受けたのは『この世の終わり』。
「バルタザールの遍歴」は図書館での出会いから、角川文庫で復活後の再読。どっぷりと耽溺。恥ずかしい表現かもしれないが、全文が美酒。そして何度読んでも、嫌な奴なのにエックハルトが憎みきれない。