部屋の窓際

好きなものについて描いたり書いたり。

1月24日 読書メモ「三島由紀夫紀行文集」

 

火曜日。曇り。帰宅時霙。
四季の中で冬が嫌いなので、ほんとにしんどい。
冬バテなる言葉は、今季になって初めて知ったが多分毎回ソレ。

 

朝。野菜スープ。ヨーグルト道継続。バナナ。
昼。おにぎり2つ。梅と鮭。豚汁。
夜。白米。白菜と人参としめじと長ネギに鱈と帆立のキムチ鍋風。納豆。

食後にみかん。薄皮がなかなか根性ある存在感。そのまま食べる。
本当は白い筋も食べた方が良いらしい。さすがにそれは除く。

 

 

 

三島由紀夫紀行文集 佐藤秀明編」岩波文庫

 

表題の通り、三島由紀夫が書いた紀行文関連のアンソロジー
三部構成。『アポロの杯』、アポロの杯スピンオフ&別途海外編、国内編。

 

味噌汁のくだりよりも、ニューヨークでの観劇感想、特にシュトラウスサロメについての感想が興味深い。
そしてゲルニカの静けさについて。

リオに寄せる愛着、ギリシャへ寄せる熱情。
南米が好きなのは、照りつける何かと揺蕩う何かの気配か。
支配階級の名残的な。

眷恋の地、希臘において宣言していた通り、感受性の濫費の実行。
ギリシャに寄せる発熱と発汗(?)が断続的であったなら、違う未来もあったのでは?などと思うのは薄っぺらすぎる仮想か。

 

第二部は、「冬のヴェニス」「ピラミッドと麻薬」「美に逆らうもの」が印象的。
配置のせいか、頽廃の気配(ヴェニス)から、精神を拒絶した存在という穴(ピラミッド)へと流れ、奇矯なタイガー・バーム・ガーデンの詳細な記述(美に逆らう)にたどり着くと、写真や文章でしか知らない大仰に呵呵大笑する三島由紀夫を思い描く。

 

第三部は、ダントツで「仙洞御所」序文。
詳細に庭園の美を鑑賞しつつ、理想的な庭へと話が進み、空間と時間へと思考が進んでいくに従ってなんだか不穏なものを感じるのは、作品と作家の時系列を照らし合わせてしまうからだろうか。
終わらない庭、果てしのない庭、不断に遁走する庭。
庭が所有者へ突きつけるのか、所有者が庭に強請る強迫観念か。
解説でも触れられているが、締め括りのあの段落は何なのだろう。
生きている芸術家、という飛躍。賞賛しているようで否定するような一文。