日曜日。日の出に光るベランダの氷。晴天。
草叢に雪はわずかに残っている。厄介な道路の氷も日差しですぐ溶けた。
毎年、大学入試のタイミングで雪が舞う。
朝。クロワッサン。カフェラテ。飲むヨーグルト。
昼。カレー屋さんのカレーをテイクアウト。ビール。
夜。白米。なめこと豆腐の味噌汁。カブと厚揚げの煮物。ホッケの開き。納豆。
朝食後、日常の用を片付け座椅子に根を下ろす。
コンビニの生どら焼きが悪魔的な旨さとカロリー。
ぺろりと平らげ、ぼーっと本を眺め睡魔に襲われ、を繰り返す。
夕方、申し訳程度に筋トレと軽い運動。再び睡魔。
夕食後に少しラクガキ。
まだまだ残っている読了走り書きをブログ用にメモし直す。
大河はしばらく録り溜めか。
漫画の如き渋い顔をしながら養命酒を飲み、アイマスク装着で就寝。
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「儚い羊たちの祝宴 米澤穂信」新潮文庫
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」にまつわる五つの事件。
お嬢様と使用人(?侍女?従僕?)が主軸。
『身内に不幸がありまして』旧家の連続殺人の展開にワクワク。謎の解明に愕然。
『北の館の罪人』もの柔らかい語り。首筋がそわそわしてくる感じ。
『山荘秘聞』語り手のキャラの強さよ。
『玉野五十鈴の誉れ』こちらも旧家。血への妄信。オチの凄さ。
『儚い羊たちの晩餐』アミルスタン羊に「あっ」となる。そして振り出しへ。
基本的にブラックな世界。ブラックというか、金蘭の抱く陰影?
常識を超えることを許されている特権階級の人々を取り巻く仄暗い空気。
明治末期、大正、昭和初期の雰囲気か。
旧家の因習、狂気と滑稽味、もはやホラーだったりと様々な味わい。
直前に濃密すぎる塚本邦雄作品を読んでしまったため、初読時は甘美さも残酷さもさらりとした印象。文体の柔らかさも要因かもしれない。
しかし、甘美であり残酷であることは間違いない。
ほろほろと口で溶ける和三盆のような感触か。
五編の登場人物たちに共通するのが読書サークル「バベルの会」。
その「バベルの会」。四編では名称がチラリと登場するだけなので、名前だけの存在かと思っていたら最終話で実態が浮かび上がる。
「バベルの会とは、幻想と現実とを混乱してしまう儚い者たちの聖域なのです。現実のあまりの単純さに、あるいは複雑さに耐えきれない者が、バベルの会には集まってきます。わたしたちは、いわば宿痾を抱えた者なのです」
壁と膜。会長の「バベルの会」の存在理由を語る言葉が、ぼんやり眺めていた読み手に突き刺さる。何を読んでいた?何を見落とした?何を間違えた?