部屋の窓際

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読書メモ「ゴシック文学神髄」

 

 

「ゴシック文学神髄 東雅夫編」ちくま文庫

ポー「大鴉 日夏耿之介訳」プラス「アッシャー家の冒頭 日夏耿之介訳」

ウォルポール「オトランド城奇譚 平井呈一訳」

ベックフォード「ヴァテック 矢野目源一訳」

レ・ファニュ「不妖姫 野町二訳」

 

有名過ぎてあらすじも知ってるけど読んだことのないオトラント城目当てに購入。

始祖とも称されるあの名作をあの平井呈一訳で!と、古風だということは承知の上で読み始めたものの、序盤で挫折。マンフレッドさんはイザベラ追跡のまま本棚へ。

物語が古臭いとか訳文の言葉が分からないというわけではなく、どうにもイメージがしっくりしませんでした。

 

「何をしてさらす!」と口走られると古城譚というより長ドスが幻視されます。

 

平井呈一訳カーミラを読んだときはすんなり没入できたので、やはりこの『敢えての擬古風』が『私がイメージしていたオトラント』に合わなかったのだろうと推測。

全体的にそうなのですが(全体も何も序盤しか読んでないのですが)、特にマンフレッドとヒッポリタの会話などは、義太夫が幻聴されるようなリズム。

いっそこのまま歌舞伎に置き換えれば面白いのかも。

今回は、素直に欧羅巴の怪奇譚を読みたかったので一時中断することにしました。

もう一冊の翻訳本を購入し、平井役には日を改めて挑戦してみようと思います。

 

 

なお「不妖姫」「アッシャー家(冒頭)」以外は他の媒体で読了済。

アッシャー家をあの【またとなけめ】な日夏耿之介の文章で読んでみたい気もしますが、私などは漢字に酔って内容を追えない気もします。

「不妖姫カーミラに関しては、創元推理文庫平井呈一訳の方が優美な印象。私は。

 

 

 

 

同じく、有名過ぎてあらすじ知ってるけど翻訳がなかった「ユドルフォ城の怪奇」上下二冊を目にして本屋で迷う。なかなかに分厚い二冊。

あのとき買っておけば!を繰り返したくないので購入。