お耽美なお貴族様イメージ。
昔のサイトのラクガキ焼き直し。
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お耽美なお貴族様といえば、吸血鬼。
発売のたびにせっせと購入して本棚に並べてい多ものの、せいぜい拾い読みしかしていなかった「幻想と怪奇」シリーズを、ようやく丸々一冊読了。
「幻想と怪奇4 吸血鬼の系譜 スラヴの不死者から夜の貴族へ」新紀元社
実を申せば、最初は素直に1号(号?)から読み始めたのですが、ちょっと合わない物語があって躓いたり、あまりに多い誤字脱字に辟易して頓挫。
このままでは本棚の飾り、あるいは読まずに奥地に突っ込んでしまう可能性があるので、一番興味のある号から着手。
あっという間に読了。
吸血鬼というパワーワードのなせる技か。
お好みに合わせ各種取り揃えております、という幅の広さ。
個人的には、血と地を土台にした原始的な雰囲気のある『吸血鬼(ヴルダラク)の一家 ある外交官の回想録より A.K.トルストイ/池畑奈央子訳』と『ストラゲラ ヒュー・B・ケイヴ/野村芳夫訳』が好み。両作とも<お耽美>や<お貴族様>というキーワードからはだいぶ遠いですが、禍々しくて面白かったです。禍々しさのアピールが、かたや豪速球なバイオレンス、かたやエロティシズムをにじませた悪夢。
そのほか、『ルエラ・ミラー』『モートンの怪死』『いとしのクレメンタイン』なども好みでした。