数日のんびりできる予定があるからこそ読めるタイプの本を引っ張り出す。
大きくしっかりしていて、そして美しい書籍。
何かにかこつけたり本能のままだったり、(小さな)散財をし続ける人生ですが。
この書籍が届いた時には正直、やっちまったな…と思いました。
その名のとおり、澁澤龍彦の蔵書目録。
書影など関連写真もありますが、本体は目録。ひたすら書名が並んでいます。
いくら澁澤龍彦に興味あってもここまで読むかなあ?と自分自身に困惑しました。
だがしかし。腰を落ち着けてページをめくり始めると、いつの間にか時が経ってしまうという時間泥棒。出版社の目録じゃないから、各書籍の内容紹介なんてものは全く無いのだけど、書名を眺めているだけで楽しい。
あの本かと思ったり、こういう作家も?と思ったり、内容を妄想したり。
澁澤邸にある書籍を、贈呈本や書き込みの有無どころか本棚の並び通りに構成するという丹念さの塊のような構成。
この根性と今の技術を合わせれば、電子書籍化して本棚から書影(もちろん本文はダメ)をピックアップするという体験もできるのでは?とも思ってしまうのは欲張りすぎか。
思い付きつつ(実際、巻末の対談でも電子化には触れている)、それをやってしまうと冒涜にも感じるのは、私が紙の本派だからか。
クリィム色が美しいので眺める時は、手汗を拭くハンカチを用意しております。
…決して興奮して手汗をかくわけでは無い。