部屋の窓際

好きなものについて描いたり書いたり。

11月5日 読書メモ「カササギ殺人事件」


日曜日。薄曇り。まあまあの日差し。
暖かいというより、暑い。
気候変動はあれど世界は美しいのに、世の中はどんどんおかしくなっていく。


朝。タンパク質系サンドイッチ。コーヒー。ヨーグルト。
昼。天ぷら蕎麦定食。ビール。
夜。黒米混ぜた白米、赤飯風。白菜と鶏の煮込み。厚揚げとナスのピリ辛炒め。胡瓜とトマトのマリネ。

間食は干し芋




日中ひたすら読書。


カササギ殺人事件 上下 アンソニーホロヴィッツ/山田蘭訳」創元推理文庫

ベストセラーは読まない主義、では無いが少し時間をずらしがち。
ここ数年で『ホームズ』と『ポワロ』以外のイギリスの推理ドラマも見るようになっていたので、あの『バーナビー警部』を始めイギリス推理ドラマの脚本をしていた人、という前知識を得た上での読書。
この前知識があったおかげで、さらに面白く読めた気がする。


人気推理作家アラン・コンウェイの担当編集者である「わたし」が、アランの「名探偵アティカス・ピュント」シリーズの第九作「カササギ殺人事件」のゲラを読む。
そのゲラの内容、「カササギ殺人事件」の世界(要するに作中作品)が上巻。

大詰めまで来たと思ったら原稿が尽きまさかの結末欠如。驚愕激怒の「わたし」ことスーザン。さらに驚愕することに、アラン・コンウェイが死去。事故?どうやら自殺?
消えた謎解き部分の原稿を探しつつ、なぜかアランの死の真相まで探ることに、な下巻。

上巻は、読み始めからまさにイギリス推理ドラマな世界。
情報伝達技術も科学技術もまだ発達途中の、ある意味、探偵小説の楽園時代。
バーナビー警部や、ミス・マープルな映像が脳内に広がりまくる。英国の村。長閑で郷愁を誘う美しい風景と、ちょっと潜んだ悪意と、もっと沈殿する何か。

下巻は、現代なので目まぐるしく情報が飛び交い、主人公もあちこち移動。
ちょいちょい差し挟まれる楽屋ネタ(?)を全部楽しめる知識はないが、そこそこの好奇心はくすぐられる。バーナビー警部の原作本は七冊、が驚き。


上下巻とも、嫌われ者の死、という黄金パターン。
創作と現実の交錯と断絶。複雑な人間関係。それよりも複雑に捻れて繁殖する感情。
久々に推理小説読んだー!な気分。

下巻で名探偵を愛するパッションがあちこち散らばっていたのだが、だからこそあの結末は、皆が名探偵に求めていること(オリエント急行のポワロ的な)を遂行しなかった、というオチでもあるのかな?とも思いつく。





月曜投稿のつもりが指定日時間違ってたことを帰宅後気づく。