部屋の窓際

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7月22日 映像メモ「女吸血鬼」


土曜日。朝の空気が涼しい。
陽射しはとんでもないが、日中の空気も数日前に比べれば爽やか。
明日はごろごろする予定なので、日常品の買い出し。日焼け止め必須。


朝。サンドイッチ。ヨーグルト。野菜ジュース。
昼。鶏肉とガーリックの炒飯。枝豆。トマトと胡瓜のマリネっぽい浅漬け。ビール。
夜。白米。ビンチョウマグロの漬け。サーモン。甘辛ダレの蒸し茄子。納豆とオクラ。日本酒少々。


夏バテ防止も兼ねて、昼のおやつに塩羊羹。




昨日観た映画。


「女吸血鬼」中川信夫監督


1959年作品。衛星劇場で視聴。
今の時代から見ると、荒唐無稽な感もあるが、物語もまとまってるし印象的な絵面も多い。
モノクロの美しさ。地底の城は、やはりロマン。正直、城には見えないのだが。
カリガリ博士ってこんな感じ?と思うように、映像が溢れる時代の視聴者としては実験映画とも受け取れる作品。小人、大入道(?)、老婆という乱歩世界も連想するような怪奇趣味とモダン美術が合わさったような不思議ホラー。
原作があるそうで、橘外男「地底の美肉」。エログロ感漂うタイトルですね。

タイトルといえば映画タイトルに偽りあり、と述べている人が多いように「女吸血鬼」なるものは出てこない。
吸血鬼は天知茂。私が知っているニヒルでダンディなおじさまの面影はまだ薄く、シュッとした白皙の青年。モノクロ映画だから、とかじゃなくて。
切れ長の目は健在だが、サングラス多用。ちょっとタモさんに見える時あり。
髪を完璧に撫で付けていると無敵そうだが、掻き毟って前髪が垂れると危うい脆さも感じる。月の光を浴びると悶え苦しんで牙を剥く、というのが狼男的。
自分の意思で吸血しているわけではないようなので、なかなか不便な吸血鬼。不便といえば、牙が予想外に丸みがあるので、あれで首筋をえぐるのはかなり大変ではないかと。
というか、女性たちへの吸血行為が衝撃的に雑。
ぶつかり稽古みたいな勢いで色気から遠いのが残念。

天知茂演じる画家の竹中こと吸血鬼は、天草四郎の遺児である勝姫を慕っていた近侍が姫の自害の後に血をすすり(生き血と言ってたが、死後も生き血なの?)不死の吸血鬼と変貌した果ての姿。
物語としては、勝姫の末裔である女性をつけ狙い幽閉に成功したが逃げられちゃって追いかけてきた、というのが私の理解なのだが間違ってないだろうか。
本能的な怪物ではなく、妄執のアンチヒーロー系。偏執のインテリとも言えるが。

全体的に、吸血鬼、という基本事項のほかに『青頭巾』と『オペラ座の怪人』と『美女と野獣』と『青髭』をビシバシと感じる。あと、乱歩の蜘蛛男あたり。
ラストの崩壊からの脱出に、里見八犬伝(深作監督)の始点を見た思い。