部屋の窓際

好きなものについて描いたり書いたり。

12月29日 読書メモ「赤い蝋人形」


金曜日。晴天。空気冷たい。
ある程度の大掃除は終わらせてあるので、布団干してだらだら。
暖かい部屋着を着込むと、動き出す気力が吸い取られるのが如何ともし難い。


朝。休暇初っ端なのでいつものヨーグルト継続。バナナ。グラノーラ
布団干した後、煎茶入れてニチレイ今川焼き一個。



布団をひっくり返して軽く運動。
部屋のあちこちに手を出しながら(片付かない予兆)、下書きのままだった読書メモ。


「赤い蝋人形 山田風太郎傑作選・推理篇/日下三蔵編」河出文庫

帯に記された米澤穂信の言うように、人間地獄を描く8つの短編集。
「推理に何が救えよう」というよりも、巷に散らばる地獄絵図を推理で供養している感あり。
人間社会に溢れる光景を、推理で持って『ありふれていない』光景に仕立てて昇華。

『女死刑囚』マグダラのマリア
『30人の3時間』ブラックコメディ。
『新かぐや姫』オチにのけぞったが、かぐや姫というより…。
『赤い蝋人形』本体も凄いが【最終回原稿】の文体も読ませる。
『わが愛しの妻よ』現代の話か?と思うほど不変な地獄。
『誰も私を愛さない』落語な趣き。
『祭壇』お得意の軽やかな残酷譚。
『二人』唯一カラリとした悪夢。

正直、あまりピンとこない作品もあったが『赤い蝋人形』は文句無く面白い。
終盤に差し掛かり小賢しくも、オチはコレだろ?と思っていたら見事にひっくり返された。盲点。炎で始まり炎で閉じる惨劇は、【赤い蝋人形】故か?
『女死刑囚』はひたすら読ませる。山田風太郎流の聖者へ至る受難譚。
『二人』は、中井英夫塚本邦雄が綺羅綺羅と描くような世界観。それを山田風太郎が書くとこうなるのか、という寓話。メイン二人の名前が凄い。