部屋の窓際

好きなものについて描いたり書いたり。

1月20日 読書メモ「夏の涯ての島」


土曜日。まごうことなき曇天。寒い。
厚い雲を透かして日の出の太陽部分だけがオレンジ。横扁平。
就寝前は寝まくってやると思っていたが、勿体ない気分が勝りほぼ普段通り起床。
読書日和である。

梅干し&白湯という起床ルーティーン。
休日なので自分に甘く冷凍今川焼きをチョイス。煎茶をいれる。


朝。今川焼き、カスタードとあずきあん。煎茶。蜂蜜入れたヨーグルト。
昼。コンビニのスープパスタ。タンパク質補充なサラダ。トマトジュース。
夜。白米。舞茸、長ネギ、豆腐の味噌汁。ブリの照り焼き。人参、筍、がんもの煮物。ビール。

この冬、ほぼ里芋を食べていない。手ごろな大きさの里芋が皆無。
タイミングが悪いのか、産直売り場でも遭遇率低め。
けんちん汁など芋煮系が好きなので大打撃である。さつま芋をフル活用。


食後、ホイップどら焼きとコーヒー。




 

「夏の涯ての島 イアン.R.マクラウド 浅倉久志 他訳」早川書房

図書館本を再読。出会って、一読一目惚れ(?)だったが既に絶版の悲劇。
文庫化は諦め、Kindleを期待しているが全くその気配無し。
SF系、七篇の短(中)篇集。

『帰還』宇宙飛行士たち。繰り返される落下、緩慢な変質。
『我が家のサッカーボール』人間が変身できる世界。ユーモアものかと思いきや。
『チョップ・ガール』第二次世界大戦モノ。SF的仕掛けよりも、心情描写が食い込む。
『ドレイク方程式に新しい光を』閉ざされた孤独の照射と思いきや、優しい物語。
『夏の涯ての島』歴史改変モノ。大きな歴史と小さな(個人の)歴史の重なり。
『転落のイザベル』ファンタジー。残酷で美しい寓話。
『息吹き苔』上記と同じ世界か。展開していく世界は美しいのに、苦味が混じる。

すらすらと読めるタイプの本ではない。でも好き。
また、SF的なしっかりした構造(?)を求める人にはぼんやりしすぎているとも思う。
叙情的というか、たいへん頭の悪い表現になるが、文学的。
私などは、じっくり文字を噛むように読まないと理解が追いつけない。

表題作は、改変モノとかそういうジャンルに当て嵌めることすらナンセンスに思える。新潮クレストのラインナップにあっても違和感ないかも。

『転落のイザベル』『息吹き苔』は、とっかかり見つけて世界観にハマればのめり込む異世界ファンタジー。この「10001世界」なる連作ものが読みたい。

バイオテクノロジー等の発達で誰も宇宙に見向きもしなくなった世界に、ただ一人宇宙に向き合う研究者の物語である『ドレイク方程式に新しい光を』が、再読でも一番好み。
あちらこちらやたらサイバーなのに、ノスタルジックな味わい。
散らばる色彩とかけ離れ、凝固していくような主人公の孤独描写にヒリヒリとしたものを感じるのだが、最終的に世界は美しく満ちる。
いや、そんな単純な物語ではないのだが。
私の拙い理解力と表現力はそんな感じ。読むとホッとする。